ポパイ(POPEYE)

ファミコンと同時発売の、アメコミヒーローアクションゲーム

アメリカの漫画で人気を博し、アニメが日本に輸入されるまでに至ったアクションコメディーのヒーロー、ポパイ。1970年代以前に生まれた方ならお馴染みの顔だが、彼がファミリーコンピューターと同時発売のソフトでゲーム化されるとはだれが想像しただろうか。ファミコン黎明期の作品で、まだまだゲームの幅は狭いが、敵役ブルートの多彩な攻撃技や、アイテムやギミック要素などの”味付け”はしっかり成されており、今日のアクションゲームの基礎がこの時点で一通り出来ている事に驚かされる。他のファミコン同時発売ソフトは「ドンキーコング」「ドンキーコングJR」であり、出演しているのはドンキーコングドンキーコングJR、そしてマリオだけ。彼らはいずれも任天堂を象徴するキャラクターとなっているが、それらに肩を並べる存在なのがポパイなのである。ポパイもスマッシュブラザーズにそろそろ招待されても良いのではないだろうか。


発売日 : 1983年7月15日
ジャンル : アクション
発売元 : 任天堂


主人公ポパイとその仲間

画像  名前  解説


ポパイ
(Popeye)
 
アメリカの有名な漫画「ポパイ」の主人公にして、本作のプレイヤーキャラ。口にパイプを咥えた水平で、恋人のオリーブを巡って毎度ライバルのブルートと闘っている。ポパイ自身も力持ちだがブルートの強大なパワーには押されがち。しかし、ほうれん草を食べると超人的なパワーがみなぎり、圧倒的なパワーで目の前の敵を粉砕して解決するというのがお決まりのパターン。左の画像の下がほうれん草を食べた時のポパイ。力がみなぎるというより、なんかヤバい薬をキメたんじゃないかと若干心配になる色をしている

ちなみに、ドット絵をよく見るとポパイのパイプが欠けているのが解る。製作陣のミスか。
 

オリーブ・オイル
(Olive Oyl)

ポパイの恋人。痩せ型で丸顔の女性。ポパイとブルートの争いに巻き込まれて割りを喰うパターンで、毎度被害を受ける女性。新しい事業に手を付けるが好きで、すぐに新しいお店を始めるが、大抵ポパイとブルートに破壊される。ピンチになったときの名文句「ポパイ助けて~!」は、助けを求める相手を間違えていると思う。まずはポパイとブルートを警察に引き取ってもらう所から始めよう

本作では各ステージの最上段からアイテムを降らせる役割で登場。彼女の落とすアイテムをすべて獲得するとステージクリアとなる。

スウィーピー
(Swee'Pea)
 
ポパイの養子で赤ん坊。赤ん坊にしては知能が高く、言葉を話せる。ただ、好奇心旺盛が過ぎた結果、自重せず突撃しては危険な騒動を巻き起こす。本人に罪の意識はなく、また少年法にすら引っかからない年齢のため非常にタチが悪い

本作ではステージ2で登場するが、画面左上でフワフワ浮いてるだけで、何もやらかさない。爆弾でも投げれば良かったのに…。
 

アイテム

いずれもポパイに得点をもたらしてくれるアイテム。特にほうれん草は原作通り、各ステージの切り札として使用することとなる。ハート、音符、HELP文字は最上段で取ると500点で、一段下がるにつれ300点、100点、50点と得点が下がる。ほうれん草状態で取ると得点が倍。
画像  名前  得点 解説

ハート 500~50点  
ステージ1でオリーブが降らせるアイテム。オリーブの愛を受け取れ、ということだろうか。これを24個集めるとオリーブの周りに大きなハートの形に集まり、ステージクリアとなる。
 

音符 500~50点  
ステージ2でオリーブが降らせるアイテム。ステージ2ではオリーブが竪琴を弾いており、ポパイは竪琴から出た音符を集めることになる。これを16個集めると楽譜が完成し、ステージクリアとなる。
 

HELPの文字 500~50点  
ステージ3でオリーブが降らせるアイテム。ステージ3ではオリーブがバーナードによって帆船に攫われるため、見張り台からHELPの文字を落としてくる。HELPの文字を取るたびにハシゴが一段ずつ伸びていき、24個取ることでオリーブにハシゴが届いてステージクリアとなる。
 

ほうれん草 0点  
各ステージの端に出現するパワーアイテム。原作と同じく取ることで一定時間無敵となり、ブルートを吹き飛ばすパワーを手にすることが出来る。2段目と3段目を行ったり来たりしているので、ブルートを引き付けて取ろうとしたところでほうれん草がワープしてしまい詰むというパターンで死ぬことが多い。注意しよう。ちなみに原作ではこれを食べるとポパイはおろか、ブルートでもオリーブでも凄まじいパワーが出てた。やっぱりヤバい薬物かなんかだと思う
  

パンチングボール 30点  
ステージ1の最上段に登場するアイテム。パンチを入れることで奥にある桶を落下させることが出来る。桶は一回きりしか使えないが、パンチングボールは何度でも打つことが出来、30点貰える。(全然いらんが)
 

1000点
~4000点
 
ステージ1の最上段に登場するアイテム。パンチングボールにパンチを入れると桶が落下し、下にブルートがいた場合に被せて動きを一定時間封じることが可能。ブルートが下段に居る方が得点が高く、2段目:1000点、3段目:2000点、4段目:4000点となる。
 

敵キャラ

ブルート以外にあまり思いつかないが、原作通りの敵キャラ「シーハッグ」と「バーナード」も参加しており、ファミコン最初期の作品としてはかなり作りこまれているのが解る(キャラが少ないので登場させただけという見方もあるが)。
画像  名前  得点 解説

ブルート
(Bluto)
3000点  
ポパイのライバル。ブルータスとも。オリーブを狙っており、事あるごとにストーキング行為を繰り返しているクズ。2mを超える長身であるため、水夫であるポパイよりもパワーで勝るが、ほうれん草を食べたポパイには敵わずブッ飛ばされる。本作ではオリーブではなくポパイにストーキングをカマし、瓶を投げたり、上の段にいるポパイにパンチをいれたり、下の段に飛びかかったりするなど、執拗にポパイを追い詰めるが、ほうれん草を食べたポパイに豪快に吹き飛ばされる。
 
100点  
ブルートがポパイ投げつける瓶。バーボンかウイスキーの瓶だろうか。パンチで破壊可能で、破壊すると100点。
 

海の魔女シーハッグ
(The Sea Hag)
-  
GAME Bもしくは2週目以降から登場する、いじわる魔女。原作ではオリーブを捕まえては嫌がらせをしていた。本作ではステージ1、2に登場し、髑髏を投げてくる。倒すことは不可。ステージ3では登場しないが、バーナードがオリーブを攫ったのは彼女の差し金と思われる。
 


髑髏 100点  
シーハッグが投げてくる髑髏。ランダムで左もしくは一段下に進むため、行動が読みにくい。パンチで破壊可能。
 

バーナード
(Bernard)
1000点  
原作ではシーハッグの肩にいるハゲワシ。シーハッグの命令に忠実で、ポパイに攻撃を加えるが、ほうれん草をたべたポパイに雑巾絞りを喰らってKOされる運命にある可哀そうなヤツ。本作ではステージ3に登場し、オリーブを攫ったほか、ステージ中もポパイに向かって突撃してくる。高得点なので点数稼ぎをしたい方はシバいてシバいてシバきまくろう。