オバケのQ太郎・ワンワンパニック

Q太郎の死闘を描いた高難度アクションゲーム

オバケのQ太郎がアクションゲームになった…とくれば、姿が消えて空を飛び、そしてゴハンを食べるなど、ご機嫌なゲームになるに決まっている!ただその一方、空腹で死ぬ、犬に触れたら死ぬ、煙に触れたら死ぬ、風船に当たったら死ぬ、夜8時になったら死ぬなど、その虚弱性はスぺランカー先生にも匹敵し、度々「よく死ぬゲーム」の一つとして挙げられる。
Q太郎のコミカルなアクションが楽しい佳作。難易度は高めだが、この程度で音をあげるようではファミコンなどプレイしてられない。


発売日 : 1985年12月16日
販売 : バンダイ
ジャンル : アクション


Q太郎

言わずと知れた本作の主人公であり、プレイヤーキャラ。シュールギャグのF先生とブラックジョークのA先生の両方の魂が込められているだけのことはあり、その愛らしさたるや天下一品。落ちこぼれの小学生の失敗を嘲笑してるような、どこぞのネコ型ロボットとは度量が違う。

本ゲームでは、友達の落とし物を届けるほか、誘拐されたオバケ仲間のピンチを救う大活躍を見せる。体当たりで困難を突破していくオバQの雄姿を是非堪能してほしい。

大喜びのQ太郎。体全体で感情を表現する、これこそがQ太郎の魅力。
 
天空を舞うQ太郎。宙を浮いてる感をドット絵で見事に表現。爽快で精悍なQ太郎が大空を舞う姿を堪能せよ!
 
徒歩のQ太郎。腕をペチペチと振りながら行進する姿がなんとも愛らしい。
 
やられたQ太郎。一転してブサイクに。このギャップが堪らない。
 
ジャンプするQ太郎。なんという躍動感。
 
食べるQ太郎。Q太郎と言えばこれ。口が凄いことになってる。
 
ガウガウ砲を打つQ太郎。全身の怒りを犬にブチ込む気迫が伝わってくる。
 
ガウガウ砲。子犬とブルドッグだけに有効な、Q太郎の切り札。それでもワンワン砲よりも射程が低いため、まともにやりあうと不利。先方は大別して二つ。地上で隙を見つけ、犬に打ち込んですぐに逃げるか、犬の頭上を取り、急降下してお見舞いするかだ。

こちらは、本ゲームの『ゴールドカートリッジ版』でお目に掛かれる、黄金のQ太郎。ゴールドカートリッジ版とは、ワンワンパニックの大会「パニックコンテスト」の入賞者100名に配られた、幻のソフトであり、黄金のQ太郎を見た人は限られていたが、今回GIF画像として復刻。黄金に光輝くQ太郎をゆっくり鑑賞いただきたい。

アイテム

本作のQ太郎は孤独な闘いが強いられる。仲間は一切助けてくれない。Q太郎は以下のアイテムを活用し、独力で闘いぬくのだ。
画像  名前  得点  備考
 
りんご  10点  食料その1。以下、体力回復アイテムはどれを取っても回復量が同じ。
 
ぶどう  10点  食料その2。他のゲームで頻繁に出てくるフルーツだが、このゲームでは点数が低い。
 
団子  20点  食料その3。みたらしっぽい。
 
おにぎり  20点  食料その4。どうでもいいが、道端に浮いてるおにぎり。絶対怪しい。それでも食べるのがQ太郎。生きるためだ。
 
ケーキ  50点
(天国では500点) 
食料その5。道端や空中に浮いてるケーキ。天国ステージではケーキが大量に浮いている。Q太郎にとっての天国ってそんなんなのか。バイトしてケーキ買えば良いんじゃ…
 
Qマーク  200点  オバQのエンブレム、Qマーク。体力が回復するほか、一定時間姿が消える。敵をすり抜けて一方的に攻撃できるので、犬の正面から思いっきり吠えてやろう。
 
キャンディー  100点  食べても体力は回復しないが、ガウガウ砲が4発撃てるようになる。砂糖がノドに良いのだろう。メタルバンドのボーカルとかこれ舐めたらええねん。
 
宝石  0点  ステージ10~12で、一定の場所を通過すると出現するアイテム。取ることで食べ物が出現するのだが、そのメカニズムは掴めていない。まあ、主人公がオバケだったりするし、今さらメカニズム言うてもねぇ…
 
  1000点  ステージ3,6,9,12に登場する強盗が隠し持っていた骨。これを強盗に投げることで、これまでQ太郎を苦しめてきた犬共が一転、大挙して強盗に喰らいつくことになる。投げる際にはあまり接近しすぎないこと。例えば強盗の真下から投げると外れることがあり、そうなるとクリア出来なくなる。

Q太郎のお友達

ステージ毎に登場するQ太郎の友達と、友達の落とし物。落とし物を拾って友達に届けるのがステージの目的だが、オバケ仲間のドロンパ・P子・O次郎・U子 は誘拐されており、落とし物を手掛かりに救出することになる。

それにしても、こいつら散々Q太郎の事を小バカにしておきながらこの体たらくとは……。二度 とQの悪口言うなよ……クズ共が。落とし物はどれも500点。
  画像  名前
(落とし物)
説明
1面 
 
ハカセ
(マイコン) 
頭脳明晰・博識・発明が得意。お人好しでおっちょこちょい。ダブダブの学生服を着ている。乗り物酔いが弱点。…と、これだけ聞けば萌え要素の塊のような人。…ただし男だが。マイコン落としたらしく、Q太郎が届けることになる。マイコンとは今でいうパソコンのこと。
2面 
神成さん
(花) 
空き地の裏に住んでるおじさん。大抵空き地で打ったホームランボールは彼の家の盆栽か窓ガラスを叩き割ることになる。それにしても、盆栽を渡すならともかく、切り花を渡しても火に油なんじゃ…
3面 
 
ドロンパ
(星) 
テキサスから来たオバケ。初期のテリーマンとキャラがカブっており、性悪・自分のことをミーとか言っちゃう・そして体に星を貼っ付けてるとこまで一緒。星を取られるとオバケのパワーがなくなるらしく、誘拐犯に捕まっている。誘拐犯を倒して星を返してあげよう。
4面 
大原 伸一
(ハート) 
正太の兄貴。典型的なダメ人間。好きな女の子が出来て告白されるも速攻フラれるというのがおきまりのパターン。ゲームでは彼が落としたハートを届けてあげることになるが、そんなもんむしろ失くした方が色々と都合が良いんじゃないのか…
5面 
西郷 強
(野球のボール) 
通称”ゴジラ”。ドラえもんでいうジャイアン、キテレツ大百科でいうブタゴリラだが、この二人のキャラが強すぎるため、コイツは全く名前を覚えてもらえない可哀そうな奴。もはや本名を知るものなどどこにもおるまい。そして知らなくてもあなたの人生にはなんの影響もない。この際、アイテムについては触れないでおこう。
6面 
P子
(リボン) 
Q太郎の妹。ドロンパが密かに狙っている。彼女も誘拐されており、きっと犯人はドロンパだろうと思っていたが、ドロンパも誘拐されていたという。使えないアメリカ野郎だ。P子が落としていたリボンを手掛かりにQ太郎は誘拐犯を追い詰める事になるのだが……コイツ普通にリボンしてんじゃねえか。
7面 
小池さん
(ラーメン) 
みなさんお馴染み、ラーメン大好き小池さん。スピンオフで悪のスーパーマンになったり、シャ乱Qに歌われたりと、そのスター性はかなりのもの。今回もラーメンを落としたらしく、Q太郎が届けてあげることに。ラーメン落とすって……そして届けてもらったラーメン、ホントに食べるの…?
8面   
木佐 キザオ
(ラジコン) 
オバQ世代に聞けば、10人に1人ぐらいは『あぁ…そんなの居たかな?』という反応を示してくれる男。名前と顔つきでもう大体性質が解ると思うので説明は割愛する。絶対藤子不二雄A先生のキャラじゃん。ちなみに、”ラジコン”を落としたそうだが…これ、なんのラジコンだ?飛行機?
9面 
 
O次郎
(本) 
Q太郎の弟。手先が器用な上に、目の前を爆破する能力を操る危険なヤツ…のはずがアッサリ誘拐犯に捕まってる。Q太郎は本を手掛かりに誘拐犯を追い詰めるが、そもそもO次郎が爆弾もろとも爆破したればすべて片が付いたんじゃ…。
10面 
 
大原 正太
(野球帽) 
通称”正ちゃん”。オバQの”のび太”ポジションの彼だが、基本的にキャラが薄く、しかもQ太郎が秘密道具を出すわけでもないので、活躍の場はない。オバケ一味を家族に認めさせたのは功績だが、大食いのオバケの居候を認め、すさまじい額の食費を負担してる両親のほうが100倍偉い。ゴジラと隅っこで野球でもしてろ、な?
11面 

小泉 美子
(人形) 
通称”よっちゃん”。目に生気がないヒロイン。その上人形を落としただなんて…にわかにたちこめるメンヘラ臭。逃れる術はあるのか。
12面 
U子
(柔道着) 
本作のラスボス…じゃなかった。誘拐犯に最後に囚われている最後のオバケ。ロープでグルグル巻きにされていながら、今くるよ師匠を思わせるフテブテしい目つきがなんとも彼女らしい。Q太郎は彼女を愛しているため、命がけで悪と戦うことだろう。…助けた後、柔道業で投げ飛ばされるんだろうなぁ…。

敵キャラクター

Q太郎が最も苦手とするのは「犬」だが、本作では基本的に何に触れても死ぬ。

Q太郎に立ちはだかる犬軍団

Q太郎が苦手とする「犬」。それを知ってか知るまいか、調子をこいた犬共はQ太郎を徹底的に追い詰めてくる。このゲームのご町内は犬でごった返しており、屋根から屋根に飛び乗って吠えまくるその姿はまさに悪魔。このような畜生共を放ってはおけない……
画像 名前 説明
 
 
子犬
(茶) 
鈍足でジャンプしないが、ワンワン砲を撃つものもおり、油断して近づいたところに一撃、という事故も。子犬だからといって侮ることなかれ。
 
 
子犬
(黄) 
そこそこの走力を持つ。ジャンプするか、ワンワン砲を撃つかでタイプが別れる。最初に出会う敵であり、初見だとまずコイツに殺される。コイツのせいで犬嫌いになった人も多いことだろう。
 
 
子犬
(赤) 
悪魔の赤犬。最高速度のダッシュとジャンプ、そしてワンワン砲と三拍子揃った難敵。徹底的にQ太郎を追い詰めてくる。一体Q太郎が何をしたっていうんだろう…。ステージの最後でハズレの部屋を開けた時に飛び出してくることもあるので、ラストのフルーツは、上から下に向かって取るようにしよう。(下からジャンプして取ると、飛び出し来た赤犬に噛み殺される)
ワンワン砲
(子犬) 
子犬の吠えた声が強烈な音波となり、可視化されたもの。これを喰らうとQ太郎はひとたまりもない。大抵子犬共はコイツを連打してくる。飛距離はそれほどでもないが、たまに射程が長くなることがあるので要注意だ。
 
 
ブルドッグ
(茶) 
見た目はイカつく、ヤバい雰囲気が立ち込めるが、犬一族で最も鈍足な上にジャンプができないので、最弱を誇るザコ。ただしワンワン砲を撃つ場合はかなりの飛距離があるため、子犬感覚で横から近寄れば等しく死が待っている。
 
 
ブルドッグ
(黄) 
ブルドッグ(茶)に比べればまだマシだが、鈍足なのは変わらず、やっぱりジャンプしない。ワンワン砲を撃たなければ恰好のカモであり、一面に出てくるブルドッグは大抵ガウガウ砲を数発ブチ込まれて墜落する宿命。安心しろ、すぐに楽にしてやる…。
 
 
ブルドッグ
(赤) 
ブルドッグ一族最高の速度で迫ってくるが、それでもまだ遅い。そしてやっぱりジャンプしない。はっきり言って子犬のほうが手ごわい。ワンワン砲だけには注意だ。
 

ワンワン砲
(ブルドッグ) 
ブルドッグ最大の奥義ともいうべき必殺の一撃。子犬のものに比べると飛距離が長く、しかも連打が可能。言葉を3Dにしてぶつける闘法は、はじめ人間ギャートルズと、JOJOのエコーズと、このブルドッグぐらいなのだ。
チャウチャウ(茶)  チャウチャウはすべてワンワン砲を打たない代わりにガウガウ砲も通用しない。まさに静かなる暗殺者だ。対処法は逃げるしかないが、コイツとカラス、スズメ、風船あたりに囲まれると待ち受けるのは絶望しかない。
チャウチャウ(黄)  普通にジャンプしながら近づいて来るものと、その場で静止し、Q太郎のジャンプに反応して横軸を合わせてくるものの二種類いる。スピードは茶色のものより上がっている。
チャウチャウ(赤)  素速く、ジャンプもこなす難敵。その昔、わくわく動物ランドというテレビ番組で、関口宏がチャウチャウを抱きかかえながら『わくわく動物ランドに、見て、チャウチャウ』と言っていたのを思い出す。未だに何言ってんのか全く解らん。ストレスは溜まる一方だ。

Q太郎抹殺を目論む空の悪魔たち

ステージが進むにつれて、Q太郎の空に敵が増えてくる。蛇行したり追尾したりしてくるので、いずれも強敵。ガウガウ砲も効かないので、Q太郎お得意の飛行技術に賭けるしかない。
画像 名前 説明

カラス  空中を突撃してくる。もちろん当たればQ太郎は鋭いくちばしの餌食。ただ全身してくるタイプ、上下してからQ太郎に狙いを定めて突進してくるタイプ、Q太郎に向かって卵を投下して攻撃してくるタイプの三種類が居る。どいつもこいつもQ太郎を殺すことばかり考えている悪魔のような奴らだ。
カラスの卵  カラスが投下してくる卵。当たればQ太郎は、死ぬ。なんで死ぬのか。そんなことはどうでもいい。当たれば、死ぬ。食べたりできない。当たれば、死ぬ。この世の中は無情であり、理由を欲しがろうと、そんなもの用意してくれるわけがない。ただ死ぬという事実がそこに転がっているだけ。死ぬ。死ぬのだ。
スズメ  愛らしいスズメにもQ太郎は敵わない。しかも空中をジグザグ走行してくる上に、あたり判定が広い強敵ときてる。その様は自分から当たっておいて難癖をつけるヤンキーの様だ。
風船  地獄の追尾型風船野郎。コイツまるで意思があるかのように、Q太郎に追尾して近づいてくる。ワンワンパニックの空中戦はコイツのせいでかなりシビアなことになるので、覚悟が必要だ。それにしてもなんでこんなものに当たっただ(ry
  もちろん煙に当たっただけで命はない。オバケだろうと何だろうと死ぬ。「オバケのQ太郎」時代背景は昭和の高度成長期。当時の工場の煙なんて猛毒に決まってる。

オバケを誘拐する強盗犯

普通、オバケを見たひとは怖がるもんだが、捕まえようとするヤツが居るんだから。この世の中で一番怖いのは人間。暗闇を見たなら、そこに幽霊ではなく人が居るかもしれないことに恐怖しろ。

強盗。絵に描いたような悪人顔。絵なんだが。オバケを誘拐してどうするつもりだったのか。どこかの研究所にでも売り飛ばす予定だったのか…?軍事利用のために解剖されるな。
爆弾を投げる強盗。無尽蔵に投げまくるのだが、そんだけ投げたら赤字なんじゃないか…?
強盗は骨を隠し持っており、強盗が落とした骨を拾って強盗に投げつけることで、チャウチャウ(赤)と子犬(黄)が強盗を襲い掛かり、ステージクリアとなる。骨を持っていたということは、ご町内に犬を跋扈させた元凶はコイツだったのか…?それにしても自分を追い詰めてきた犬に助けられるとは…。なんにせよ、”ワンワンパニック”の看板に偽りなしと言えよう。
誘拐犯が投げてくる爆弾。どこに隠し持っていたのかしらないが、すさまじい量をバラまいてくる上に、まだ爆発してない爆弾に触れただけで死が待っている。鋼鉄で出来てんのか。。。