かんしゃく玉投げカン太郎の東海道五十三次

サンソフトのヒーロー、カン太郎の痛快時代劇アクション!

ファミコンに時代劇アクションゲームが少ない中、1・2を争うほどの人気を誇るのがこのゲーム。東海道五十三次の美しい景色を背景に旅をするロマンと、アイテム探しの要素、そしてどこかの時代劇で見たことのある、個性あふれる敵キャラと繰り広げられるコミカルなアクションが相まって、ワクワクが止まらない。

ただし、敵に触れると一撃死するほか、武器の癇癪玉が弧を描く特殊な弾道だったりするため、ゲームの難易度はかなり高い。例えるならロックマンや悪魔城ドラキュラがライフ制でなく一撃死するようなもの。ミスは一切許されない。すぐ死ぬけどまたプレイしたくなる、でもやっぱり死ぬ、それを思わず繰り返してしまう、サンソフトの名作辛口アクションゲーム。

ちなみに、普通にプレイしているとあまり気付かないが、実は当時の東海道に忠実に面が構成されており、その再現度はゲーム製作者の執念すら感じさせる。詳しくはこちら(※外部リンク)。


発売日 : 1986年7月3日
販売 : サンソフト
ジャンル : アクション


主人公(プレイヤーキャラ)

画像  武器  名前
(武器名) 
解説
 
 
カン太郎
(癇癪玉) 
花火職人。京都での修行を終え、恋人のももこに元に帰るべく江戸へ向かう。カン太郎の必殺武器は花火作りの技術を元に作成した癇癪(かんしゃく)玉。投擲して敵に当てて爆殺するほか、地面置くと時限爆弾のように使用することも可能。この必殺の技術が却って悪人の目に留まってしまい、秘伝の火薬の製法を手にするべく剛左衛門一味に付け狙われることに。しかし江戸っ子気質の血が騒ぎ、敵を次々に返り討ちにするその姿は快男児と呼ぶに相応しい。でも、とあるゲームではヘマをして捕まっていたりする。
 
 
カン太郎
(おにぎり) 
カン太郎最大の技が発動した姿。おにぎりを取ることでブランカのローリングアタックよろしく回転状態となり、立ちはだかる敵をことごとく抹殺する。その威力は幽霊のお石すら退散させるほど。弱点は操作不可能となることで、川に落ちないよう、また技の終わりを敵に狙われないように注意しよう。

アイテム

カン太郎を補佐するアイテム。邪魔者を撥ね退けるアイテムのほか、カン太郎に奥義をもたらすものも。雲乗りゲタを除くアイテムは、面のどこかに隠されており、癇癪玉を爆発させることで出現する。得点は統一で、出現時50点、取得時150点。 
画像  名前  解説
  盗賊の三太を追い払える。流石はカン太郎、剣の腕も盗賊と互角に渡り合える程度には強い様子。剛左衛門ぐらい叩っ斬ればいいのに…
小判  2枚で渡し止めが渡れ、4枚でお民を満足させ、6枚で関所が渡れ、さらに10枚集めると裏ステージへの扉が開く万能アイテム。ゲーム中で最も多く登場するアイテム。
手形  そこいら辺に落ちているのを拾って、関所の中山主水に渡すことで、関所を無傷で通過出来る。結構ザルな警備だ。余談だが画面上部の手形の画像には、たったの16ピクセル四方にも関わらず『手形』と書かれているのが見て取れ、ドット絵職人の熱い心意気が伝わってくる。
お札  魔除けの札。幽霊のお石を退散させることができるほか、三枚集めると空から雲乗りゲタが降ってくるという、御仏のご加護が詰まったアイテム。3面で札を大量に集めて無限1UPできる技があり、ゲーム発売当時にお世話になった人も多いはず。
おにぎり  他のゲームでは間違いなく回復アイテムだが、前述のとおり、カン太郎最大の技が発動する 武器 。おにぎりで回転するのは『おむすびころりん』のオマージュと思われ、昔話にオマージュしておにぎりを武器として使うところにサンソフトの本気が見える。
カン太郎 癇癪玉を二発当てると出現する1UPアイテム。一度死んでも同じ場所に出現する特性を利用して、近くにあるアイテムの無限増殖を行うことが可能。
雲乗りゲタ  お札を三枚集めることで、天からもたらされるアイテム。取るとお札が三枚減るが、雲に乗ることができるようになる。ただし敵も乗れるようになるので注意。この、アクションゲームで雲に乗る発想は『アトランチスの謎』でも採用されており、サンソフトの専売特許と言える……まあ、スーパーマリオで既に使われてるんだけどね。。。

味方

カン太郎を助ける存在たち。ただし江戸っ子気質の頑固さで、老後は間違いなく老害と化すであろうカン太郎にとって、仲間と呼べるものは少ない(物質を含めても2つしかいない…)。
画像  名前  解説
  

地蔵  そこいらに佇む地蔵菩薩像。地蔵の中には、癇癪玉を当てることで、一定時間2発目から1000点を貰えるものがあり、残機UPに貢献してくれる。これも御仏の加護なのだろうか。それにしても癇癪玉を地蔵にブチ当てて得られる加護っていったい……。
ももこ  カン太郎の恋人。江戸でカン太郎の帰りを待っている。彼女の元にたどり着くことでゲームクリアとなる。

敵キャラ

カン太郎に立ちはだかる8人の刺客

それぞれに個性を持っており、いずれの殺し技も一撃必殺という猛者ぞろい。1人だと苦戦しないが、2人以上で来られると非常に厳しい戦いとなる。
画像  道具  得点  名前
(殺し技) 
解説
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黒丸
(体当たり) 
下忍。ジャンプをしながらカン太郎に向かって進むだけだが、倒してもすぐに沸く、癇癪玉を投げるとジャンプでかわすなど、ゴロ太郎と並んで最も死亡率の高い敵と言える。
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ゴロ太郎
(体当たり) 
ゴロ付き。拳を振り回しながら迫ってくる。下忍が登場しない面で登場し、黒丸と同じ動きをする。ジャンプの着地点に沸いたり、癇癪玉を当て損なうと、そのすぐ先には死が待っている危険な敵。
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リョウ
(小刀) 
仕事人。橋の下にぶら下がり、刀で突いてくる。橋を渡り終えると今度は黒丸と同じ動きで迫ってくるが、スピードが黒丸より早いなど、中々の手練れ。向かってきたところに癇癪玉を当てれば倒せるほか、橋から上る地点に癇癪玉を置いておくと上った瞬間に爆発して絶命する。名前から必殺仕事人の『組紐屋の竜』がモデルか。
シゲ
(小刀) 
仕事人。屋根などの高台から小刀を投げてくるほか、下を通ろうとすると飛び掛かってくる難敵。ジャンプの降下中に癇癪玉で攻撃するか、飛び掛かってきた所を癇癪玉で迎撃することで処理することが可能。小屋が見えたらとりあえず屋根に癇癪玉を投げておくと安定する。必殺仕事人の『飾り職人の秀』がモデルか。
鳥飼源司
(鷹) 
鷹匠。鷹をファンネルのように飛ばして攻撃してくる。一度放たれた鷹は、自分の斜め下にカン太郎が来ると急降下して攻撃を加えるほか、鳥飼が死んでも攻撃をやめない無敵キャラ。鷹を飛ばす前に遠距離から助走して癇癪玉を遠投し、鳥飼もろとも鷹を爆殺することで安全に処理出来る。
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御神一刀
(刀) 
浪人。剣の腕は確かなもので、癇癪玉を当てても斬られてしまい効かない。ただし足元がヤムチャ並にお留守なので、癇癪玉を地面においておびきよせることで爆殺が可能なほか、斬られる前に爆発するような絶妙な距離で癇癪玉を投げることで対処が可能。子連れ狼の『拝一刀』がモデルと思われるが、大五郎やマシンガンは登場しない。(とある同人ゲームでは登場するが…)
天海
(念力) 
僧侶。本作最強の敵。念力を飛ばして攻撃してくる。念力のせいか御神一刀と同じく癇癪玉が爆発せず効かないほか、カン太郎の前で立ち止まるため、癇癪玉を地面に置く戦法が使えない。倒す方法は天海の直前で癇癪玉を爆発させるしかないが、逃げた方が楽。名前からモデルは天海大僧正と思われる。
剛左衛門
(短筒) 
悪徳商人にして敵のボス。短筒(拳銃)を3発撃ってくるほか、癇癪玉を2発当てないと倒せないため、相討ちとなることが多い難敵。ただし登場は鳥飼、シゲ、天海よりも早いため、彼らよりも格下に感じることが多い。もっと最後に出せばよかったのに…。モデルは時代劇の悪徳商人の誰か。心当たりが多すぎて特定ができない……

その他の敵

前述の8人の刺客とは異なり、倒すことが不可能な無敵キャラ。
画像  道具  名前
(殺し技) 
解説
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(突撃) 
黒丸が登場する面で、一定時間経過すると後ろから猛スピードで転がってくる大岩。当たると命はない上、上り坂でもふつうに登ってくる。一体どうなっているのか…
---  野良犬
(突撃) 
ゴロ太郎が登場する面で、一定時間経過すると登場する犬。動きは岩と同じ。

凧忍者
(手裏剣) 
画面上部に登場して、下に向かって手裏剣を投げてくる敵。癇癪玉を当てても凧は撃沈しないところをみると、かなり画面奥から手裏剣を投げているようだ。

邪魔者

道中に現れる邪魔な人たち。触れても死なないが、カン太郎の動きを封じてくるためかなり危険。アイテムがあれば回避でき、アイテムを渡した時には一律1000点もらえる。
画像  名前  解説
お石  幽霊。墓場や峠などに登場し、カン太郎に憑りつく。憑かれると一定時間動きが遅くなる。お札があれば退散させることが可能なほか、雲乗りゲタを取った直後にお石に触れることで、雲乗りゲタのコストをお札1枚に抑える事が出来るなど、思わぬ活用法があったりする。モデルは四谷怪談の『お岩』か。
お民  留女。『留女(とめおんな)』とは、宿場町や遊郭で、通行人を無理やり宿に入れようする客引きの女性のこと。本作では可愛い音楽と共に登場し、カン太郎をひっ捕まえに来る。捕まると動きが鈍くなり、ジャンプも出来なくなるので注意。小判を4枚渡すと満足して去っていく銭ゲバビッチ。
中山主水  悪代官。『なかやまもんど』と読む。関所に登場し、手形を持たない者を折檻する。折檻中は動きが鈍くなり、ジャンプも出来ない上、癇癪玉も打てなくなるのでかなり危険。手形がない場合、小判6枚を袖の下として渡せば通過が可能。モデルは必殺仕事人の『中村主水』。ワイロを要求するところも共通している。
三太  盗賊。峠などに登場する。刀が無い場合には中山主水と同じく折檻される上に、所持アイテムをすべて奪われるという、かなりヤバい敵。刀は中々見つけられないので、エリアのどこにあるのか覚えておく必要がある。